やぎ座

 

堅実で真面目、努力好きで忍耐強いの星座。
辛抱強く、粘り強い勉強家で、軽率な行動はしない人柄。
歴史を重んじ、基礎や基盤を作って進み、失敗のない着実派です。反面、人見知りで新商品には無関心、保守的な一面も。 ときには変化も受け入れる姿勢をもつと出世するタイプ。

 

山羊座は、ギリシャ神話に登場する牧神パーンが、天に昇って星座になった姿と言われています。牧神パーンは森の精霊で、体は毛深く、頭には二本の角をはやし、シューリンクスという笛を吹きながら、陽気に森を駆けめぐります。人間の娘をからかってみたり、たわいないいたずらを仕掛けては、ひとりで喜んでいたりする、かわいい神様ですが、怒らせると家畜の群れの中に飛び込んで、パニックを引き起こす、怖い面も持っています。
 山羊座はその性質の中心に、牧神パーンのような、自然を愛するロマンティックな心を持っています。野山や可憐な山野草が好きだったり、音楽や美術、文学を心の癒しとしたりする人が少なくありません。登山やロッククライミング、ヨットやサーフィン、スキューバダイビングといった、大自然を相手にするスポーツを趣味にしている人も多く見られます。わずらわしい人間関係から離れて、自然や芸術のふところに抱かれたいという思いを、強く持っているのです。
 信頼関係を大切にする、ホットな人間性も、性質の中心に深く根付いています。人を信じたいという気持ちが人一倍強く、打算や下心のない、純粋な信頼の絆に憧れます。信頼されれば、相手の気持ちに誠実にこたえようとつとめます。
 自然や芸術を愛する心、人の絆を大切にする心は、人生というものに真摯に向き合おうとする姿勢から生まれています。山羊座は、高い地位を得たり、お金持ちになったりしても、それを人生の成功と思って満足するような性質ではありません。華やかな恋を味わったり、贅をつくして、面白おかしく遊び暮らしたとしても、幸せな人生をおくっているとは思わないでしょう。お金や物に恵まれていても、心の深い部分、非常に精神的な部分が満たされていなければ、むなしさや寂しさを感じてしまいます。むしろ、お金や物が身の回りにあふれていればいるほど、心の奥に寂寥感を強く感じるのです。
 人生に真摯に向き合う。それは生きることの意味を、深く考えることです。人間にとって、本当に大切なものは何か、自分はなんのために生きているのか、人生の意味は何か、自分とは何か……。山羊座の心の底には、常にそうした問いかけがあります。そういう根本的な問いに対する答えを探し求める旅が、山羊座の人生と言っていいかもしれません。
 山羊座に関連のある星は、土星です。土星は、ギリシャ神話に登場する、時の神、クロノスと関係があります。クロノスは荒々しく野心的な神で、戦国時代の武将のごとく、自分が権力の座につくために、親や子まで犠牲にしようとした結果、大神ゼウスによって地下に閉じ込められるという運命にあいました。クロノスのこうした逸話から、土星には、重たい土がなんでもしっかりと押さえ込むような、抑圧、抑制という意味があります。
 山羊座は、この土星から、情緒や感情を発散しないで、ぐっと押さえ込む性質を与えられています。内面には、豊かな自然を愛するナイーブな感性や、ロマンを愛する心、人の絆を大切にするホットな人間性を持っていても、それらは固い岩におおわれているように、外側ににじみ出てきません。山羊座の外面的なイメージは、地味で真面目、きびしくて硬い、無骨で不器用といった具合に、内面の柔らかさとはかけ離れています。
 生きることの意味を探し求め、人生に真っ向から取り組む性質と、自己抑制の強い性質は、困難に負けない忍耐強さを生み出します。逆境に負け、押し流されてしまったら、自分が生きている意味を見出せません。目標に到達することをあきらめてしまったら、それまでに費やした時間と努力は、水の泡になってしまいます。負けそうになる、弱い自分を乗り越えられたら、違う世界が開けるかもしれません。克服したいという思いが、強いエネルギーとなり、努力を続けるのです。
 ゴールまでの道のりが、気の遠くなるような長いものだったとしても、山羊座は黙々と進み続けます。目標に到達することそのものよりも、それをめざして日々努力することのほうが、山羊座にとっては尊いことなのかもしれません。なぜなら、目的を達成し、たとえ人々の注目と賞賛を浴びても、喜びはほんの一瞬でしかないからです。一瞬の達成感のあとには、めざすべき目的がなくなってしまったむなしさがやってくるでしょう。周囲からどれほどたたえられようと、ほめ言葉には耳も貸さず、次の目標を探して歩き出すのです。
 精神の充足を求め、宗教的、哲学的な思索にふけったりする性質ですが、いっぽうで、荒々しいクロノスのように、野心や野望を抱きやすい一面も持っています。自然と一体になった穏やかな暮らしをするのではなく、現実の世の中で、自分の能力をせいいっぱい試そうとし、その結果、野心的な生き方をすることが案外多いのです。政治家や企業家をめざすなど、スケールの大きい目的を持つこともあります。山羊座の場合、野心や野望も、生きる意味を求めて行動する結果であって、人の上に君臨して満足したいといった、短絡的な願望ではありません。野心をとげても、自分の精神が本当に満たされていなければ、人々から仰ぎ見られても、ちっとも嬉しくないのですから。
 野心をとげようと努力する過程では、当然、打算や下心のある決断を下したり、ときには人に対して冷酷になることもあるでしょう。現実の生活の中で、そういうこともできてしまう自分に矛盾を感じ、自己嫌悪に陥ったりするのです。純粋なものに憧れながら、現実の人生の中では純粋になれない自分を感じている。だからこそ、仕事を離れたときは大自然のただなかに行きたがったり、芸術に心を浸したくなったりするのかもしれません。
 山羊座は基本的に、何事もひとりでやりとげようとする性質で、人の力を借りる、人と力を合わせるという考えが希薄です。これも、自分が生きる意味を探そうとする性質からきたもので、言いかえれば、自分への強いこだわりです。人の力を借りたり、誰かと共同で作業を進めたら、自分の力がどれだけのものなのか、確認できず、自分でやったという満足が得られません。他人に気を使いながら共同作業をするより、何もかも自分でやったほうが気が楽という思いもあります。人を信じきれず、仕事をまかせることへの不安感を強く抱きやすい面もあります。ただし、この自分へのこだわりが、人をシャットアウトする心のせまさを作り出しているのです。
 人の意見を聞かず、自分が見たもの、感じたものしか信じない頑固さは、山羊座の大きな欠点です。人の絆を大切にしたい反面、人に対して不信感を抱きやすいという、矛盾を抱えた性質と言っていいでしょう。自分の考えに対して、反論されると、頑なに耳をふさぎ、自分の主張をがなりたてるような、感情的な一面もあります。
 自分の考えを人に押しつけがちで、きびしい教師のように、あなたのここがいけないとびしびし指摘したり、説教調のしゃべりかたをするところも、要注意点です。自分へのこだわりが強すぎるために、相手の気持ちを察したり考えたりするゆとりがないのです。相手は自分とは違う性格を持ち、違う考えや感性に従って生きているのだということを、しっかり頭に入れておくべきでしょう。
 どれほど自分へのこだわりを持とうと、ひとりの人間の力には限界があります。人は自分の知らない知識や、自分には思いつかないアイディアを持ち、問題を解決する、思いがけないヒントを提供してくれるかもしれません。人の力を借り、人の言葉に耳を傾けることは、そのまま、自分の世界を広げることになります。人生の意味を問う、その答えが、思いがけない方向からやってくるかもしれません。
 
《恋愛面、家庭面》
 自己抑制型の性質から、恋に浮かれて走り出すようなことはありません。好きになってもすぐアタックすることはなく、相手がどういう人か、みきわめようとするでしょう。恋愛に関してはシャイで不器用なところがあり、なかなか告白できずに、時間ばかりたつことも多いようです。目標を設定すると、必ずクリアーしようとする性質ですから、思いが強ければ、不器用ながらもラブアタックを敢行するでしょう。スマートとはいえない告白が、かえって相手に誠実さを感じさせ、めでたく恋が実ったり、真面目すぎて、面白味がないと思われ、失恋したり。恋の成否は相手の人柄しだいのようです。
 女性は、男性を受けとめるタイプの人が多く、男性にリーダーシップを持たせようとします。恋人に従いますが、現実を冷静に見ている、しっかりしたところがあり、陰で恋人を支えるでしょう。堅実ですが、あまり情熱的ではなく、男性に甘えるのが下手で、かわいらしさや面白味に欠けるところもあります。言い出したらきかない我の強さも、男性にとっては、ややへきえきする部分かもしれません。
 相手に妻子がいたり、親の強い反対があるなど、結婚の見込みのない恋愛は、長く続けないでしょう。いろいろな角度から考えて、未来がないとみきわめると、すぱっと情を断ち切れる精神的な強さがあります。無駄を嫌う性質なので、実りのない恋に人生の貴重な時間を費やしたくないという思いも働くでしょう。結婚の保証がなくても恋愛を続ける場合は、相手との絆に、よほど大きな意味や意義を見出している場合です。
 男性は、男が女をリードし、養うもの、といった、やや古風で保守的な考えを持つことが多いでしょう。愛が深ければ深いほど、相手の女性をしっかり守ろうとするので、女性の目に、とても男らしく映ることが少なくありません。ただ、言葉で愛を表現するのが苦手で、あまりマメなほうでもなく、仕事が忙しいと、恋人をほったらかしにしがちです。女性側が、ほんとに自分は愛されているのかと疑うほど、放りっぱなしにすることもあります。ほんのひと言でもいい、愛を伝える電話やメールを心がけたほうがいいでしょう。
 相手との絆が深まれば、結婚へと心が向います。肉体的な関係を持つと、女性に対する責任感が湧き、結婚を考えるのです。ただしこれは、精神的にも相手の女性を深く求めている場合で、山羊座の男性は、一夜の遊び、セックスを目当てにしたつきあいも、割り切ってするところがあります。いわゆる女好きの部分があるのです。
 男女とも、家柄がよく、家をついだり、家を守らなければならない立場にあると、自分よりも家を中心に考えて、それにふさわしい結婚相手を選ぶというところがあります。好きな人をあきらめて、家のために見合い結婚をするということも起こりうるでしょう。
 自分へのこだわりが強すぎて、他人との共同生活がうっとうしく思え、一生結婚しないこともあります。また、一度結婚に失敗すると、それに懲りて、頑なに独身を守ることもあるでしょう。
 家庭を持つと、女性は家事育児をしっかりこなし、家計のやりくりもうまく、夫を陰で支える良き妻になる可能性大です。ただし、結婚しても、仕事を続けて、自分を磨きたいと思っていると、家事育児がおろそかになり、家庭内がギクシャクする場合もあります。仕事を続ける場合は、夫や親の全面的な協力と理解が必要でしょう。
 男性は、保守的でワンマンなところはありますが、頼れる大黒柱になるでしょう。仕事に熱中すると、帰宅は遅く、休日も返上して仕事や接待といった具合に、相当な仕事中毒になる恐れがあります。家庭をかえりみないわけではなく、心の中では、家族とのふれあいが少ないことを気にしているのですが、結果的に家庭を放りっぱなしにしがちなのです。
 マイホーム願望が強く、ローンを組んだりすると、仕事熱にはさらに拍車がかかります。子供たちとのスキンシップや、妻との情緒的な交流が極端に少ないと、それこそ家庭崩壊を招きかねないので、注意が必要です。
 男性は、結婚後も浮気をする可能性があります。ただし、浮気にのめりこんでも、家庭は家庭として大事にします。不倫が原因で離婚することは、まずないと言っていいでしょう。
 男女とも、結婚生活に不満があっても、我慢強く耐え、めったなことでは別れません。ただ、選択の間違いに気づき、これ以上結婚生活を続けても意味がないとはっきり悟ったときは、驚くほどのいさぎよさで離婚してしまうこともあります。

《仕事、金銭面》
 山羊座はどのような分野に進んでも、やりこなせる能力を持っています。営業、セールス、接客などは、どちらかといえば苦手な分野ですが、やる気さえあれば、努力で克服できます。
 芸術、芸能といった華やかな世界でも、やっていけますし、競争の激しいビジネス社会や、学問、教育、出版、報道といった知的な職業でも成功するでしょう。医療、福祉関係にも向いていますし、飲食業、料理人、ホテル関係にも適性があります。事務職にも、農業漁業などにも向いています。会社を起こしたり、政治の世界で活躍する可能性もあります。
 目的のためなら、努力をいとわず、どんな仕事もやるでしょう。たとえば自分の店を持つのに、大金が必要なら、肉体労働もいとわず、昼も夜も働いて、お金を貯めるという性質です。夢を実現する能力と可能性を、非常に強く持っているのです。
 金銭感覚は堅実で、むだ金を使わない主義です。計数能力があり、お金をしっかり管理するでしょう。きらびやかな贅沢に憧れる気持ちはあまりなく、質素な生活にもさほど不満を感じません。収入が少なければ、それなりにやりくりし、きちんと貯金もします。
 無駄遣いを嫌うので、ケチという印象を与えることもありますが、金銭に対する執着はあまりありません。自分が大切にしている趣味に、大金を使ったり、生活していくうえで必要なことに、思いきりよくお金をかけることもあります。太っ腹なところを見せて、威勢よくおごったりすることもあります。
 ただし、目的を達成するのに、お金が必要な場合や、人生の目的はお金だと思いこんだりした場合は、一銭たりとも出すまいとする、きわめつけのケチになることもあります。

《健康、体質》
 ハードな肉体労働や、睡眠時間の少ない多忙な生活にも耐える、頑健な体質です。ただし、体質が強い人の常で、無理をしやすく、体力が低下し始める中年以降に、どっとしわ寄せが来る恐れがあります。
 最も問題なのは、食生活で、同じものを続けて食べても平気だったり、ただ、お腹がいっぱいになればいいという考えで、食事の内容がずさんになったりしがちです。仕事に夢中になっていたり、育児に追われて忙しかったりすると、かきこむように食事をすませてしまい、食事を楽しむゆとりをまったくなくすこともあります。栄養のバランスの悪さが、成人病などのツケとなって現われるので、注意しましょう。
 山羊座は人体区分でいうと、ひざ、骨や関節、歯、筋肉に関係しています。筋肉や、骨、関節を痛めやすいので気をつけましょう。たんぱく質、カルシウムの摂取を心がけることが大切です。山歩きやスポーツで足腰を鍛えておくのもよいでしょう。
 また山羊座の性質を強く持っていると、お酒が強く、晩酌を欠かさない人が少なくありません。ストレスをお酒で発散しようとして、酒量がどんどんふえることもあり、肝臓に負担をかけます。内臓はじょうぶなほうですが、お酒の飲み方には気をつけたほうがよいでしょう。最低、週に一日は、お酒を飲まない休肝日を作ってほしいものです。