おとめ座

 

完璧主義で観察能力に優れた、純粋で控えめな性格。
常に回りを見渡せる冷静な判断力と、計画的な行動ができる人柄。
職人気質で、手を抜くことなくやり遂げる強い精神力ももっています。 反面、冷淡で責任をとることをさけたり、潔癖さが強く他者に手厳しい一面も。寛容さを身につけると出世するタイプ。

 

西洋占星術における乙女座の由来は、農業をつかさどる女神、デーメーテル、または法と正義の女神アストレアが、天に昇った姿と言われています。
 乙女座の性質の基本には、この二人の女神を彷彿とさせる要素があります。
 農業神デーメーテルに関連する部分は、乙女座の自然を愛する心です。野山を散策したり、野菜や果物を育てることが好きだったり、ペットに癒しを求める人が少なくありません。植物や動物を自分で育てる行為に、大きな価値や意味を見出す人もいます。
 地に足のついた堅実な生き方をする面も、農業神に似通っている部分です。こつこつと地面を耕すように、根気よく努力を続け、着実に収穫を得るのです。努力しなければ、実りはない、というのが乙女座の信条です。ふらふら遊んでばかりいて、ちゃっかり儲けにありつこうといった調子のいい生き方をする人間には、眉をひそめます。
 ものの考え方はいたって現実的で、わけのわからない宗教やおまじないなどは嫌いです。目に見えるもの、科学的に証明できるもの、理屈にかなったものを信じるのです。
 法と正義の女神アストレアにつながる部分は、強い正義感や潔癖さです。賄賂や裏取引などの、不正や汚い行為、嘘や裏切り、ごまかしといった、人間関係の醜い面に、鋭い批判の目を向けます。多少の悪には目をつぶるとか、身の安全を保つには、少しぐらい卑怯なマネをしてもしかたがない、といった妥協的な考えは持ちません。何が正しく、何が正しくないかを、厳密に判断する性質です。
 乙女座にはもう一人、関連のある神様がいます。それは、双子座の項で書いた、ヘルメス神です。ヘルメスは知識と学問、伝達や流通、商業の神であり、はかりとものさしの発明者とされています。双子座は、このヘルメス神の性質の中の、伝達や流通、商才といった部分を強く受け継いでいますが、乙女座は、学問、知識、はかりとものさしという部分を、その性質の中に取り入れています。乙女座の性質を強く持っていると、学問が好きで、勉強熱心だったり、読書家だったりする人が少なくありません。また、“はかり”と“ものさし”というキーワードは、乙女座の性質を読み解く上で、とても大切です。
 はかりやものさしには、いうまでもなく、数値を読み取るための細かい目盛りがついています。乙女座の性質には、どんなものも、細かい目盛りできっちりと計ろうとするような、非常に几帳面なところがあるのです。たとえば旅行や外出をする場合、A地点からB地点までの所要時間を、時刻表などできっちり調べたり、家計簿で一円の誤差があっても、気になってしかたないといった具合です。本や資料の分類、整理が上手だったり、家の中が常に掃除がゆきとどき、髪の毛一本落ちていても気持ち悪くて、拾い歩くという人もいます。
 すべてにおいて几帳面というわけではなくても、乙女座の性質を強く持っていると、仕事や私生活のどこかの部分に、やや行き過ぎかと思えるくらいの細かさが現われます。
 何事もきっちり計ろうとする性質は、将来を計り、予定を立ててから行動するという計画性を生み出します。明日、あさってのことも、一ヶ月や半年先も、十年、二十年といった遠い未来も、予定をきちんと立て、そのスケジュール通りに行動します。スケジュール通りというのは、ハタから見れば息苦しく、疲れる生き方のように思えることもあるでしょうが、乙女座にとっては、予定がきっちり組まれていることは、むしろ安心感につながるのです。目標を立て、そこに到達する道筋を設定すれば、あとはその道をたどればいいだけです。あらかじめ決めたレールの上を歩くことは、乙女座にとって、ストレスを感じないことなのです。
 反対に、決めたはずのレールが途中で途切れてしまったとき、さまざまな事情で、どうしても予定を立てられないとき、乙女座の性質はパニックに陥ります。なんとかなるさと楽天的になれる性質ではないので、先が見えない不安は、人一倍心身にこたえるようです。たとえば人生の進路の方向転換をせまられたときなどは、長い時間、悩むこともあります。
 これが正しいと、自分で考えたことと、他人の生き方、やり方が違っている場合、相手に対して非常に批判的になりがちなのは、注意点です。人はそれぞれ、考え方、価値観が違います。自分とは違う考えの人の言うことに耳を傾ける柔軟性が必要です。

《恋愛面、家庭面》
 頭の中で、理想の恋愛像を作り上げるようなところがあります。特に若い頃は、恋に恋する、乙女チックな傾向が強いでしょう。穢れたものを嫌う潔癖な性質なので、いちずに相手を思い、相手の幸せを願う、純粋な愛に憧れを持ちます。精神的な結びつきを何より大切にし、互いに向上しあう、意味のあるつきあいをしたいと考えるでしょう。
 女性の場合、性的な行為の、淫らな雰囲気を、基本的に受け付けないところがあります。そういう部分は、目をつぶってやり過ごすというのがホンネかもしれません。
 恋人に完璧さを求める傾向もあります。自分の恋人はこうであってほしいといった、条件のようなものがあり、相手がそれを満たしていないと、不満がくすぶり始めます。かなり身勝手な恋愛観なのですが、自分が決めた条件に合わない部分をひとつひとつ数え上げ、そうしているうちに熱が冷めてしまうこともあります。
 相手の裏切りはけっして許さず、深い恨みを持つこともあります。恋人の浮気を心配するあまり、相手が異性の友達としゃべっても、神経がきりきり尖ったり、疑心暗鬼のとりこになったりすることもあるようです。
 男性の場合、いつのまにか恋人を母親の代わりにして、精神的に頼ることが少なくないようです。ひんぱんに恋人に会いたがり、会えば自分の話ばかりして、相手を気遣う思いやりにやや欠けるところがあります。
 結婚に関しても、結婚の条件を、あらかじめ頭の中で作り上げ、その条件に見合った相手を探すでしょう。女性の場合、相手の年収や生活レベルをきちんと考慮したり、男性の場合、自分が仕事をしていくうえで、自分をしっかり支えてくれそうな女性を選ぶようです。男女とも、家柄にこだわるような保守的なところがあります。
 男性も女性も、家で一日中パジャマ姿でいるようなルーズさを嫌います。自分がきちんとするだけでなく、家族にもそれを要求するので、かなり口うるさい妻、夫になりがちです。みっともなく酔っ払った夫の姿、帰宅しても食事の用意ができていなかったり、コンビニの惣菜ばかり食卓に並べる妻、そういっただらしない有様は、乙女座の神経を最も逆なでするでしょう。
 子供に対して、自分の理想を押しつけたり、完璧さを求めたりして、きびしく口うるさい親になる傾向もあります。子供の成績が悪いと、神経をとがらせ、追い立てるように塾に通わせたり、いろいろな習い事で子供を過密スケジュールに追い込んだりと、かなりの教育ママ、パパになりがちです。子供の個性や持って生まれた才能に気付かず、子供を受験戦争に駆り立てて、かえって子供の才能をつぶしてしまう場合があるので、注意が必要です。

《仕事、金銭面》
 学校という枠、会社という枠の中で、決められたカリキュラム、決められた仕事をこなしているとき、乙女座は最も集中力を発揮し、やるべきことを完璧にこなそうと努力します。決められた枠からはみだすことはなく、ルールをきちんと守り、責任を果たし、期待にこたえようと頑張ります。優等生の素質を生まれ持っているのです。
 反面、何から何まで自分で決断しなければならない単独行動は苦手です。一匹狼のような自由業よりは、どんな職種につていも、組織の一員になるほうが、能力を発揮できるでしょう。
 理数系、文系の両方に適性があり、さまざまな業種に向いています。医療関係、研究開発などの分野、文筆、出版関係、学問、教育関係は特に適性があります。計数能力、企画力、分析力、整理能力、言葉による表現力に優れ、ビジネス全般で活躍できるでしょう。
 農業の分野にも適性がありますが、きつい肉体労働はやや不向きなので、品種改良などの技術者になるほうがいいかもしれません。
 また、妥協を許さない批判精神を持つため、職場内の人間関係に苦労することがあるようです。他人の欠点を数え上げるのは、何より精神衛生によくありません。
 金銭面は堅実で、将来を考えて貯蓄に励み、保険などにも入って、生活の安定を最優先させます。見栄や気分で人におごったりすることはなく、娯楽やレジャーでも、無駄遣いはしないでしょう。買い物は計画的で、電化製品や車など、高い物を買うときは、下調べを入念にします。家計簿を欠かさずつける人が少なくありません。
 投資で儲けるタイプではありませんが、安全確実な投資なら、手を出すこともあります。分析力にすぐれ、金融面の能力を持っているので、株で儲けることもできます。
 責任感が強く、管理能力にすぐれているため、他人のお金や公的なお金も、安心してまかせられる性質です。

《健康、体質》
 体質はあまり強くありません。大病をするというより、小さな病気をちょこちょこする傾向です。仕事などで疲労がたまっているときや、季節の変わり目は、体調を崩さないよう注意しましょう。胃、腸、肝臓に特に気をつけてください。
 アレルギー体質の場合が多く、薬や化粧品には注意が必要です。
 食べることにはあまり関心がない人も多く、粗食が続いても平気だったり、野菜中心の食事になりがちで、栄養のバランスが偏る傾向もあります。肉、魚もしっかり摂りましょう。特に乳製品は欠かさないほうがいいようです。
 家の外でも内でも、神経をとがらせやすいため、神経性の病気には最も注意が必要です。他人の欠点や、人から言われたりされたりしたことにこだわりすぎて、神経症にかかることもあります。神経を休める、自分なりの方法をみつけることが大切です。自然の中を散歩したり、動物に親しんだり、ひとりでできる趣味を持ったりするといいでしょう。